RPO(採用代行)とは?依頼できることから費用まで徹底解説!

RPO(採用代行)とは?依頼できることから費用まで徹底解説!

働き方改革や採用売り手市場が続く中、企業の採用市況は変遷を遂げています。昨今では、企業の採用課題の解決を支援するRPOサービスが注目されてきています。

「採用業務の効率化」「採用力の強化」にお悩みを抱える企業ご担当者向けに、ぴったりなのがRPO。本記事では、RPOのイロハを詳しく解説します。

目次
  1. 1. RPO(採用代行)とは?
    1. 1-1.  RPOと人材紹介の違い
  2. 2. RPOが注目される背景
    1. 2-1. 採用戦略の策定
    2. 2-2. 募集媒体の広告出稿
    3. 2-3. 応募者の管理
    4. 2-4. 面接選考
    5. 2-5. 内定・入社対応
  3. 3. RPOを依頼するメリット
    1. 3-1. ノウハウや専門性の活用
    2. 3-2. 業務コストの削減
  4. 4. RPOを依頼する際の注意点
    1. 4-1. 採用人材とのコミュニケーション
    2. 4-2. 業務連携の不足によるミスマッチ
  5. 5. RPOの費用相場
  6. 6. RPOを導入すべき企業
    1. 6-1. 採用のための人手が不足している企業
    2. 6-2. 採用の成果が不十分な企業
  7. 7. RPOの依頼先の選び方
    1. 7-1. 料金の違い
    2. 7-2. 業務範囲
    3. 7-3. RPO企業の強み
  8. 8. RPOの活用事例
    1. 8-1. ノンコア業務の切り分け
    2. 8-2. 採用人材に合わせたサポート
  9. 9. おすすめのRPOサービス4選
    1. 9-1. パーソルキャリア株式会社
    2. 9-2. 株式会社ネオキャリア
    3. 9-3. アデコ株式会社
    4. 9-4. リンクアンドモチベーション株式会社
  10. 10. 自社に合ったRPO企業に依頼しよう!

RPO(採用代行)とは?

RPO(Recruitment Process Outsourcing)は、企業が採用プロセスの一部または全体を外部の専門業者に委託することを指します。

具体的には、求人広告の作成や採用戦略の策定、候補者のスクリーニングや面接、応募者の管理など、様々な採用活動を支援するサービスなどが挙げられます。

RPOを依頼することで、企業は採用プロセスを効率化し、コスト削減を実現するための戦略的な手段として活用できるのです。

 RPOと人材紹介の違い

RPOと類似するサービスに「人材紹介」があります。人材紹介サービスは厚生労働省の許可を得た上で、企業に転職希望者を斡旋するという内容になります。

大きくサービス内容や契約形態に違いがあります。RPOは企業の採用業務全般を、業務委託する形で活動します。

一方で、人材紹介は候補者の斡旋のみを請け負う形で、契約に至ります。企業と求職者がマッチングした場合は成功報酬で採用人数1人あたりの報酬を依頼企業が支払うという流れになります。

RPOが注目される背景

近年、RPOが注目されている背景に、労働市場の変化が考えられます。転職が当たり前となった現代において、労働市場の流動性が高まってきています。

加えて、人口減少や少子高齢化なども影響し、企業としては人材の確保が難しくなってきている傾向も。

よって採用業務も、人材採用により一層注力すべく、求人媒体への広告出稿のみならず、自社サイトでのコラム発信や、SNS活用など採用チャネルを多様化しています。その結果、業務量が増加し、社員の業務過多を避けるため、コア業務へのリソース集中が企業の人事部門で求められています。RPOは、採用領域におけるノンコア業務を巻き取ることで、今日の採用業務の効率化を図る上で注目されてきているのです。

 RPOに委託できる業務RPOで委託できる業務は主に、採用戦略および企画、進行管理を担うコンサルティング、そして実行部分を担うアウトソーシングに区分されます。自社の課題感や予算に応じて、最適な範囲で依頼する必要があります。業務プロセスに沿って以下5つの委託業務について解説します。

  • 採用戦略の策定
  • 募集媒体の広告出向出稿
  • 応募者の管理
  • 面接選考
  • 内定・入社対応

採用戦略の策定

RPOは採用活動における上流工程である採用戦略・採用計画の立案から依頼可能。具体的には、現状課題の把握から採用KPI/KGI設定や市場調査・分析など、採用戦略全体の設計を委託元の希望にあわせて、コンサルティングします。特に、採用力の強化に課題を持っているかつ、戦略立案のノウハウがない企業の場合は、戦略設計から、採用の専門家にサポートしてもらうことをおすすめします。

募集媒体の広告出稿

採用戦略の次に、候補者の募集フェーズに入ります。

具体的には、求人募集媒体の広告出稿のクリエイティブ制作や、求人票の作成、その他スカウトメール配信設定、説明会の開催、リクルーターの選定など多岐にわたるノンコア業務を委託可能です。

応募者の管理

ここからは、実際の選考フロー業務になります。面接選考に入る前の応募者のスクリーニングや、選考状況の管理、応募者とのコミュニケーションなどが含まれます。ここまでの業務は応募数に比例して、採用業務を圧迫します。RPOを依頼することで、大幅な工数削減が期待できます。

ただし、委託元と採用ターゲットについて合意が取れていないと、採用したい人材の獲得ができなくなる場合がありますので、綿密なすり合わせを実施することが必要です。

面接選考

採用活動の中で肝となる「面接選考」。自社に必要な人材を獲得する上で候補者を絞り込んでいく段階では、自社対応する場合が多いです。

面接選考を代行する場合は、面接の質問や評価項目の設定、面接の実施、フィードバック・次回選考の案内など、一連の業務を委託可能です。ただし、RPO企業によって、1次面接から最終面接までの中で対応可能範囲が異なりますので、事前に確認が必要です。

従来の面接選考に課題を持っている企業は、RPOで面接代行を依頼することで、人材採用の課題解決につながるでしょう。

内定・入社対応

内定者に対する書面作成や、コミュニケーションに関しても、RPOにて委託可能です。内定者研修や個別面談など、内定者の不安を解消する企画の実施も含まれます。内定辞退率の高い企業は委託の検討をおすすめします。

RPOを依頼するメリット

RPOを依頼するメリット

RPOを活用することで、採用活動において専門性の高いパートナーと連携しながら、採用活動における課題解決が効率的に進むでしょう。

主なメリットを紹介しますので、RPOを依頼するか検討している人はぜひ参考にしてみてください。

ノウハウや専門性の活用

RPOは豊富な実績や事例を持つ人材採用のプロです。直近の採用市場・市況データをもとに採用ターゲットにあわせた戦略の打ち出しや、候補者に刺さるスカウトや説明会の開催などのノウハウを持っています。

「自社だけでは候補者のニーズがわからない…」「どう改善していいかわからない…」という場合におすすめです。

業務コストの削減

RPOを依頼することで業務コストを大幅に削減でき、「コア業務への集中」や「業務の効率化」につながります。結果的に採用活動におけるノンコア業務をRPOすることで、採用活動全体において注力したい業務に集中し、採用活動の質を高めることにつながります。

RPOを依頼する際の注意点

RPOを依頼したい企業は、魅力的なメリットに目を取られがち。事前に注意すべきポイントを押さえておくことで、採用委託効果を向上させることが可能です。

採用人材とのコミュニケーション

RPOを依頼することで得られるメリットがある一方で内定者とのコミュニケーション不足を防ぐ必要があります。

RPOにより応募者や内定者との関わりが少なくなるため、内定辞退率や、定着率に悪影響を及ぼす可能性があります。懇談会や個別相談など、自社の採用担当者が採用人材に関わる機会を意図的に創り出していくことが重要です。

業務連携の不足によるミスマッチ

依頼業務の範囲や責任の所在における認識が委託元企業と委託先でずれてしまうと、採用活動の失敗や、思わぬトラブルが発生するリスクが高まります

認識のずれをなくすためには、委託元と委託企業の間で、採用課題、採用したい人材像などの細かい情報を含めた採用戦略を共有しておくことが大事。定期的な進捗の確認や、レポートを作成し、報告してもらうことで、活動内容の相違が発生しないように努めていきましょう。

RPOの費用相場

RPOを依頼する際には、主に2種類の料金形態があります。

  • 固定料金型
  • 従量課金型

固定料金型は、委託する業務範囲や内容に伴って、決められた料金を毎月支払う料金形態です。固定料金型の費用相場は、月額5万円〜100万円です。利用料金の範囲で委託業務が決定します。

従量課金型は、委託した業務内容に対して実際に稼働した業務量や、成果に応じて料金を算出する方法。たとえば、面接日時の調整が月額5万円、面接実施・フィードバックの作成が1回2万円などの料金形態となっています。

委託企業によって、料金形態が異なりますので、見積りを取り、不明点は綿密にすり合わせておくことが重要です。

RPOを導入すべき企業

RPOを導入すべき企業

ここまでRPOの定義から、依頼業務、費用形態まで網羅的に紹介してきましたが、中々依頼までにあと1歩ふみだせないという人もいるかと思います。上記の課題や悩みを抱えている企業は、RPOを依頼することで、大幅に採用活動が改善される可能性があります。

自社の採用活動と照らしあわせて検討してみてください。

採用のための人手が不足している企業

まずは採用部門における人的リソースの足りない企業。採用活動のスケールを拡大させたい場合は、採用業務に注力する人員を確保することが先決です。

RPOを利用することで、人員不足を解消することが可能。社員を新たに雇用することで、人員不足を補う場合は教育コストがかかるため、迅速にリソース不足を解決したい場合はRPOの方がおすすめです。

採用の成果が不十分な企業

採用活動における業務フローに課題はないが、結果にコミットできていない企業もRPOを検討する価値があります。

高い専門性や採用ノウハウを持った代行会社がサポートすることで、データを基に成果につながるPDCAに運用を実現します。

また過去実績を参考に、現行業務の改善も実施してもらうことで、採用活動の精度を高める効果も期待できます。

RPOの依頼先の選び方

RPOの依頼先の選び方

RPOを専門とする企業は世の中にたくさんあります。自社に最適な企業を選ぶ上でいくつか尺度を持っているとスムーズに企業を絞り込むことが可能です。主な選び方のポイントを紹介します。

料金の違い

RPOは固定料金型と従量課金型の2つの契約形態があります。固定料金型では、導入頻度の高い一連の業務内容がパッケージ化されています。パッケージと自社の依頼したい業務がマッチングしている場合は、固定料金型がお得。

一方で、一部の業務は自社対応する予定の場合や、月によって稼働量に大幅な増減がある場合は、従量課金型を採用している企業がおすすめといえるでしょう。

業務範囲

RPOサービスを提供する企業は、得意領域が各企業で異なります。新卒採用、中途採用、アルバイト採用など採用領域の違いがある他、対応可能な業務範囲が各企業で異なる場合がありますので、自社に最適なRPO企業を探しましょう。

RPO企業の強み

前章で得意な採用領域が各社異なることを説明しましたが、加えて各企業の強みが掛け合わさることで、RPOの価値がわかります

新卒採用が得意などの領域の違いや、自社プロダクトと連携したパッケージサービスの提供が得意などサービスの提供体制や方法は各社の強みが分かれるポイントとなります。

最適なRPO企業を選ぶためには、複数社の話を聞き、相見積もりを算出してもらい、検討することをおすすめします。

RPOの活用事例

実際にRPOを依頼し、成功した事例をいくつか紹介します。RPO導入前の課題から導入後の効果までの一連の流れを事例別に把握することで、自社がRPOを導入した際のイメージが膨らむことでしょう。

ノンコア業務の切り分け

RPO担当:アデコ株式会社
依頼企業:キリンアンドコミュニケーションズ株式会社

導入前の課題

オペレーション業務に採用業務が圧迫され、採用戦略の立案や策定に時間を割けない状況であった。

実施施策

  • 採用戦略の設計から採用要件全体の定義
  • オペレーション業務の効率化

導入後の成果

  • 採用業務の負担軽減
  • 採用者のミスマッチ減少

コア業務へのリソース集中を実現させたこと、「ファン作り」をコンセプトとした採用支援の実行が成果につながった事例です。

参照元:【採用アウトソーシング(RPO)導入事例】単なるオペレーション業務の代行ではなく、 “ファンづくり”を意識したワンストップ採用支援を実施

採用人材に合わせたサポート

RPO担当:Adecco Group AG
依頼企業:独立系システムインテグレーション企業

導入前の課題

  • 人事部の増員無しで目標採用数150%(昨年比)
  • スカウト業務の効率化
  • 選考辞退数、内定受諾率の改善

実施施策

  • 母集団形成を「ダイレクトリクルーティング」と「新卒紹介」に集中
  • RPOリクルーターを導入し、候補者募集から1次面接対応までをサポート

導入後の成果

  • 内定承諾数:前年比151%(22卒26名→23卒38名)
  • 内定承諾率:前年比+13.8%(22卒56.2%→23卒70%)
  • 選考辞退数:一次面接以降の選考辞退者0名

リクルーターの導入により、学生とのコミュニケーションが改善し、選考辞退数や定着率の改善につながっていると考えられます。客観的な目線で、候補者をスクリーニングすることができるため、総じて効率的な採用活動へ結びついた事例です。

参照元:採用数1.5倍の難関に立ち向かう!「RPO(採用アウトソーシング)」導入で、内定承諾数・率ともに向上させた事例

おすすめのRPOサービス4選

企業名

採用ターゲット

費用

支援実績

導入社数

パーソルキャリア

株式会社

中途採用

要問い合わせ

・IT系企業

要問い合わせ

株式会社

ネオキャリア

新卒

中途

アルバイト

月額100,000円~

(詳細は要問合いせ)

・教育開発出版株式会社

・株式会社アイティフォー

・西川株式会社

年間10,000社

以上

アデコ株式会社

中途

新卒

契約社員パート

アルバイト

要問い合わせ

・東北電力株式会社 

・キリンアンド

 コミュニケーションズ株式会社

年間7,500社

リンクアンド

モチベーション

株式会社

新卒

中途

要問い合わせ

・大手専門商社

・不動産系企業

年間2,000社

以上

パーソルキャリア株式会社

パーソルキャリアのRPOは、採用業務の全工程をサポートする「総合RPO」を強みとしています。転職サービス「doda」のマーケティングデータを活かし、効率的な支援を実現します。

採用戦略や企画のノウハウを蓄積していくことで再現性のある採用活動の実現をポリシーとしているため、中長期で採用力の維持・向上に期待できる点が魅力的です。

参照元: パーソルキャリア株式会社

株式会社ネオキャリア

ネオキャリアのRPOサービスは、新卒、中途、アルバイトと採用領域を網羅的にサポート。実績もスタートアップ企業から大手企業まで、業界・業種問わず、多数の企業の導入事例があり、高い信頼度を誇ります。

サービス内容の特徴として、採用専門の自社コールセンターを保有し、休日問わず、求職者のサポートを実現できる点が魅力です。

参照元:株式会社ネオキャリア

アデコ株式会社

アデコは「Spring転職エージェント」や「Pontoon」などの自社サービスを主軸にRPOを展開。また、官公庁・自治体向けのRPOプランも展開しており、採用業務の効率化、採用力の強化を保証するサービスの質が、高い評価につながっています。

参照元:アデコ株式会社

リンクアンドモチベーション株式会社

リンクアンドモチベーションのRPOは戦略立案やPDCA支援などコンサルティング型の支援を強みとしています。

採用実務を「コミュニケーション」と捉え、本質的な採用活動の改善を実現します。

また事業の主軸である「モチベーションクラウド」を活用しながら、求職者と企業の関係性構築を図ることで、採用成功へと導く安心感も魅力です。

参照元:リンクアンドモチベーション株式会社

自社に合ったRPO企業に依頼しよう!

近年、注目されているRPOをうまく活用するには、依頼する前にRPOに対する理解度を高めておくことが重要です。

そして、RPO企業を、伴走パートナーとして、将来的な採用力強化に向けてタッグを組みながら、採用業務の改善を図ることが、総合的な採用活動の成功につながります。

本記事を参考にしながら、採用課題と向き合ってみることをおすすめします。